【徹底図解】なぜ、インターネット無料物件の速度は遅いのか?


ネットが遅くてYouTubeもNetflixもAmazonプライムビデオも満足に読み込めない…

テレワーク中に、ZoomやSkypeやGoogleMeetが落ちたらどうしよう?
実は君のマンションだけじゃなく、日本全国で遅くなってるんだよね。

インターネット無料物件にお住みで、速度の遅さにお困りの方は少なくありません。
この記事では、インターネット無料物件のネットが遅くなる仕組みを3つの観点でまとめました。
お読みいただければ、これまでの悩みの種の原因が分かります。
別途記事で対策もまとめており、多くの方にご覧頂いています。
目次
インターネット無料物件のビジネスモデル

無料インターネットサービスを一言で説明すると、 不動産ビジネスにおけるシェアリングエコノミーと言えるでしょう。
物件オーナー負担で契約した1本の光回線をマンション全体で利用することで、入居者全員が無料でネットが利用できるサービスです。
ビジネスモデルを分かりやすく図解しました。

- 無料インターネット事業者が、ISP(プロバイダ)サービスと光回線を大量に仕入れる。
- 無料インターネット事業者と「物件オーナー・管理会社」の間で、サービス契約を締結。
- マンション1棟に対して1回線分の設置工事。※大規模マンションは複数回線。
- 不動産仲介業者にて、「インターネット無料」の条件を付けて物件を広告。
- 光回線分の料金を節約できるメリットを感じ、物件探しで選ばれやすくなる。

ISPサービスの大量仕入れで単価が安くなるのがポイントです。
このように、マンションオーナーは光回線1本分と世帯数分のサービス料金という最小限のコストで、入居者側に対して「固定費削減に成功した感」を持たせることができます。
そのため、ここ数年はコスパに優れた物件価値の向上手段として非常に人気となっています。
インターネット無料物件の仕組み
次に、一般的なマンションで使われる光配線方式について、ネットワーク配線図を元に説明します。

まず、街頭の電柱からNTTの光ケーブルをマンション共用部のMDF室に引き込みます。
MDF室ではPT・スプリッタ・パッチパネル等の設備を経由して、各部屋のONU(光回線終端装置)まで全て光ケーブルが配線されます。
ONUとは、ユーザーの宅内で光ケーブルからLANケーブルに変換するための、弁当箱サイズのNTTの黒い装置です。以下画像のタイプが一般的に設置されています。


1部屋に1台のONU設置がポイントです。
さらに、インターネット無料物件で使われるLAN方式を説明します。

街頭の電柱から、NTTの光ケーブルをマンション共用部のMDF室に引き込むまでは光配線方式と同じです。
ただし、MDF室で早くもONU(光回線終端装置)に接続されます。ここで、光配線方式とはすでに違いが出てきました。

1物件に1台しかONUが設置されていないことがポイントです。
物件唯一のONUから、ルーター・L2スイッチ(ハブ)等の設備を経由し、各部屋にはLANケーブルで配線されます。この点でLAN方式と呼ばれます。
ここまでの比較で、光配線方式とLAN方式の設備的な違いはご理解頂けたと思います。
インターネット無料物件の課題
たった1本の光回線に入居者全員で相乗り
下記のイメージ図を元に、一般的なマンションとインターネット無料物件の通信速度の違いを簡単に表します。
光配線方式で各部屋に1本の光回線が届くので、速度を独り占めできる。

LAN方式で1本の光回線を入居者全体で分け合って利用するため、速度の取り合いになる。

速度が遅くなる最大の原因がこの違いです。
本来1世帯で使うはずの光回線を、マンション住人全員で使うので当然の結果と言えます。

じゃあもっと光回線の本数を増やせばいいのに!
それはコスト増加で事業者が赤字になるから無理かな…

さらに、PPPoE方式のインターネット回線は、ただでさえ全国的なトラフィック増大で速度遅延が多発しています。
とりわけ在宅率の高い休日や夜間帯となると、どの部屋でも深刻なレベルでネットが重くなります。
元々遅いPPPoEの光回線をさらに入居者全員で分け合うということが、どれだけ無理があるかはご理解頂けるのではないでしょうか?
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まとめ
この記事では、 インターネット無料物件のネット速度が遅い根本的な原因をご紹介しました。
もしネットにあまり興味がない方には、どう対処していいか分からないかもしれません。
しかし、全く諦める必要はありません。速度遅延を改善させるための対策は以下の記事にまとめましたのでご覧ください。
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