【徹底図解】なぜ、インターネット無料物件の速度は遅いのか?
何かマンションのネットが遅い…
インターネット無料物件ではよくあります。
インターネット無料物件の速度遅延にお困りの方は少なくありません。
この記事では、インターネット無料物件のネットが遅くなる仕組みをまとめました。
目次
ビジネスモデル
インターネット無料マンションでは、マンションの管理組合やオーナーなどが、ISP(インターネットサービスプロバイダ)との特別な契約を結んでいます。
この契約により、マンションの住人に対して無料でインターネット接続が提供されます。
インターネット無料サービスは、シェアリングエコノミーの一種です。
1本の光回線をマンション入居者全員で共同利用しています。
そのビジネスモデルを以下で図解しました。
- 無料インターネット事業者が、ISP(プロバイダ)サービスと光回線を大量に仕入れる。
- 無料インターネット事業者と「物件オーナー・管理会社」の間で、サービス契約を締結。
- マンション1棟に対して1回線分の設置工事。※大規模マンションは複数回線。
- 不動産仲介業者にて、「インターネット無料」の条件を付けて物件を広告。
- 光回線分の料金を節約できるメリットにより、物件が選ばれやすくなる。
ISPサービスの大量仕入れで単価が安くなるのがポイントです。
オーナー目線からすると、最小限のコストで入居者満足度が上がるメリットがあります。
ここ数年は、コスパに優れた物件価値の向上手段として非常に人気です。
設備と仕組み
一般的なマンションで使われる光配線方式について、下図を元に説明します。
まず、街頭の電柱からNTTの光ケーブルをマンション共用部のMDF室に引き込みます。
MDF室ではPT・スプリッタ・パッチパネル等の設備を経由して、各部屋のONU(光回線終端装置)まで全て光ケーブルが配線されます。
ONUは、ユーザーの宅内で光ケーブルからLANケーブルに変換します。
弁当箱サイズのNTTの黒い装置で、一般的に以下画像のタイプが設置されています。
1部屋に1台のONU設置がポイントです。
次に、インターネット無料物件で使われるLAN方式を説明します。
光ケーブルをマンション共用部のMDF室に引き込むまでは、前述の光配線方式と同じです。
ただし、MDF室で早くもONU(光回線終端装置)に接続されます。
ここで、光配線方式とはすでに違いが出てきました。
1物件に1台しかONUが設置されていないことがポイントです。
物件唯一のONUから、ルーター・L2スイッチ(ハブ)等の設備を経由し、各部屋にはLANケーブルで配線されます。
この点でLAN方式と呼ばれます。
ここまでの比較で、光配線方式とLAN方式の設備的な違いはご理解頂けたと思います。
課題
1本の光回線に負荷が集中
下記のイメージ図を元に、一般的なマンションとインターネット無料物件の通信速度の違いを簡単に表します。
光配線方式で各部屋に1本の光回線が届くので、速度を独り占めできる。
LAN方式で1本の光回線を入居者全体で分け合って利用するため、速度の取り合いになる。
速度が遅くなる最大の原因がこの違いです。
本来1世帯で使うはずの光回線を、マンション住人全員で使うので当然の結果と言えます。
そもそも、IPv4(PPPoE方式)のインターネット回線は全国的に速度遅延が多発状態。
とりわけ在宅率の高い休日や夜間帯となると、全部屋でネットが重くなりがちです。
元々遅いIPv4の光回線を入居者全員で分け合うのは、かなりの無理があります。
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まとめ
この記事では、 インターネット無料物件のネット速度が遅い原因を解説しました。
一見手の打ちようが無いように見えますが、諦める必要はありません。
速度遅延を改善させるための対策は以下の記事をご覧ください。
【次にご覧頂く記事】