無料インターネット事業者は速度遅延にどう対応?【徹底調査】

2023-07-29

無料インターネット事業者は速度遅延にどう対応?
  • インターネット無料物件に住んでいて、ネットが遅いのが悩み。
  • どうすれば速くなるのか知りたい。
  • 何をしてもダメだった時はどうすればいいのか?

ここだけの話、インターネット無料物件の速度遅延は、サービス提供元の事業者への相談で改善できるかもしれません。

この記事では、 無料インターネット事業者が速度遅延にどう対応しているかをまとめました。

確認事項

LANケーブル

そもそも、お使いのLANケーブルが速度遅延の原因というケースもあります。

LANケーブルのチェックポイント
  • マンション備え付けのLANケーブルを使っている
  • 昔から同じLANケーブルをずっと使い回している
  • LANケーブルの型番が古い
  • 見るからにLANケーブルが劣化している

もし上記に心当たりがあれば、以下の最新LANケーブルをお試しください。

意外とLANケーブルの交換だけで解決することもあります。

速度遅延の原因

インターネット無料物件が遅くなる根本原因は、以下の記事をご覧ください。

事業者の対策

無料インターネット事業者9社に対し、以下のような質問をしました。

  • 遅いPPPoE経路と、高速なIPoE経路のどちらを提供しているか。
  • どのような改善対応をしてくれるのか。

【あわせて読みたい記事】

PPPoEとIPoEの接続方式の違いは、こちらの記事をご覧ください。

各事業者からは、以下のような回答がありました。

事業者 接続方式と遅延対策
つなぐネット

「UCOM光レジデンス・e-mansion」は、IPoEでもPPPoE接続でもない「DHCP接続方式」という接続方式を利用している。

回線調査にて速度遅延が確認できた場合は、利用経路の切替え、増強など、要因に応じて対応する。

ファミリーネット・ジャパン

「CYBERHOME(サイバーホーム)」では、サービスを提供しているマンションによって接続方式は異なるため回答できない。

速度遅延については、上位回線・共用部機器などが原因の場合、可能な限り対応を行う。

通信経路の切り替え、機器の交換 回線の変更などを行った事例がある。

D.U-NET

「D.U-NET」物件によって引き込んでいる回線が異なるため、接続方式は回答できない。

経路の変更や回線の切替で速度低下については対応している。

ファイバーゲート

「FGBB」は建物ごとに提供仕様が異なり、IPv4のみ対応とIPv6対応の建物が両方混在している。

速度遅延の発生時には、利用環境の確認と回線・設備側の調査を行い、弊社設備側の調整や、大量通信居室への制限、上位回線の切り替え、設備増強、IPv6通信への対応などの対策を行う。

どの対策を行うかは、サービス提供場所の地域や弊社設備を検討し決定するため、必ずしもIPv6通信に対応することを約束するものではない。

キッズウェイ

「あぱねっと」はPPPoE接続によるサービス提供を実施しており、IPv6による通信は非対応。ご懸念の通り、一般的に夜間帯など速度低下に見舞われやすい可能性が存在している。

また、あぱねっとはベストエフォートのサービス提供であり、一定の回線品質について保証はしていない。建物内外の混雑による速度遅延が発生しても、必ずしも改善に至る対応が出来ない場合がある

イーブロードコミュニケーションズ

「イーブロード光マンション」はPPPoE接続かIPoE接続かは物件により異なる。

ただし、いずれの形式も、オンラインゲームやオンラインミーティングなどの用途に対しては遅延の問い合わせが存在する。

ある程度高速な速度が要求される利用者には、イーブロード光マンションようなシェア型回線はお勧めできない。通信経路の変更や共用部機器の調整の対応はしている。

ただし対応の限界もあるため、改善の約束まではできない。

NTTメディアサプライ 未回答
ギガプライズ

ギガプライズでは、PPPoE経路での提供かIPv6経路での提供かは物件によって異なる。

速度遅延が発生した場合は、共用部設備由来のものか回線由来ものかの切り分けをまず実施する。共用設備由来の場合は、当該の機器の交換などを行う場合がある。

また回線由来の場合は、上位回線側経路の調整、切替などを実施する場合があるが、共用回線の性質上、一定の帯域保証は行っていない。

ブロードエンタープライズ 「B-CUBIC」は以下スペックを標準で提案している。
回線速度:1Gbps
ISP(プロトコル):IPV6
配線スペック:Cate6A(10Gbps)

速度遅延により、現在導入している契約内容をより上位のスペックに変更する際は、弊社の担当とオーナー間の調整の上で、オーナー判断で契約内容を変更する場合がある。

接続方式

結果として、つなぐネット、ファミリーネット・ジャパン、D.U-NETの上位3社については、PPPoEとIPoEの接続方式のどちらかについての明確な回答は得られませんでした。

4位以下の事業者はPPPoEとIPoEの環境が混在しているケースが多い結果でした。

ブロードエンタープライズ社だけは、IPv6(IPoE)方式を標準で提供しているようです。

PPPoE経路は全国的に速度遅延が深刻です。

よって、積極的にIPoEへの移行を進めることが入居者に対して誠実です。

しかし、IPoE経路は高速なだけにコストが高く、気軽には経路を切り替えられないのが事業者側の事情。

果たして各社は、企業努力の範囲内でどれだけの利便性を提供できるのでしょうか?

多くの方が速度遅延に悩む状況を逆手にとれば、IPoE経路を全物件に提供することで他社と差別化できます。

改善に向けた姿勢

概ねどの事業者も、通信経路の切り替えや機器の改善には取り組むとのことでした。

よって、せめて1度は事業者に改善対応を求めるべきです。

ダメで元々で試してみるだけの価値はあります。

【無料インターネット事業者の問い合わせ先一覧】

各事業者のホームページから、問い合わせ先一覧をまとめました。

速度遅延の相談はこちらから行ってください。

なお、一部の事業者は電話による受付窓口を掲載していませんでした。

ユーザーの不満が高まっている中、すぐに連絡が取れないと、さらに火に油を注いでしまいます。

24時間体制でフリーダイヤル窓口を開設する事業者は、サポート体制が充実しています。

電話番号が把握できない事業者に対しては、メールフォームから問い合わせて返事をお待ちください。

※以下の表は右にスクロール可能です。

業者

提供

サービス

サポートサイト/
メールフォーム
連絡先電話番号 受付時間

つなぐネット

コミュニケーションズ

UCOM光レジデンス

会員サポートサイト

0120-359-841 (通話料無料)
※上記番号が利用出来ない場合(IP電話など)
03-6820-0978 (※通話料お客様負担)

9:00~21:00
年中無休

つなぐネット

コミュニケーションズ

 

e-mansion

お問合せ・サポート 入居者向け電話窓口はHPに記載無し。 入居者向け電話窓口はHPに記載無し。

ファミリーネット

ジャパン

CYBERHOME

(サイバーホーム)

お問い合わせメールフォーム 入居者向け電話窓口はHPに記載無し。 入居者向け電話窓口はHPに記載無し。
D.U-NET D.U-NET お問い合わせメールフォーム 入居者向け電話窓口はHPに記載無し。 入居者向け電話窓口はHPに記載無し。
ファイバーゲート FGBB 入居者さまサポートサイト 入居者向け電話窓口はHPに記載無し。 入居者向け電話窓口はHPに記載無し。
キッズウェイ あぱねっと 【入居者様専用】お問い合わせ 0570-550-588 24時間受付
年中無休(年末年始除く)

イーブロード

コミュニケーションズ

e-Broad光

マンション

e-Broadサポートサイト 0120-333-645 24時間受付
年中無休
※受付のみで平日の営業時間内(09:00~18:00)に担当スタッフより折り返し対応。
NTTメディアサプライ DoCANVAS 会員様専用ページ 0120-795-444 9:00~17:00(年末年始を除く)
ギガプライズ ※OEM提供先ブランドにて提供 お問い合わせフォーム 入居者向け電話窓口はHPに記載無し。 入居者向け電話窓口はHPに記載無し。

ブロード

エンタープライズ

B-CUBIC 資料請求・お問い合わせ 0120-399-452 10:00~19:00
(年末年始など大型連休除く)

独自で光回線を引けるか?

事業者の方針

最後に、もし事業者側の言っても何も改善しなかった場合に、入居者側で部屋に独自の光回線を引けるかどうかを問い合わせました。

ポイントは次の3点です。

  • 速度が改善しなければ、事業者側の設備とは別に独自に光回線を導入する意向である。
  • 独自の光回線導入には、事業者側の設備撤去や物件のオーナー・管理会社との調整が必要と認識している。
  • これまで上記のような対応を実施したことはあるか。

各社からの回答は以下となります。

事業者 接続方式と遅延対策
つなぐネット 「UCOM光レジデンス・e-mansion」とは別に、他社回線を利用可能かどうかは物件の管理会社ごとに異なる。よって一律の案内は困難な状況。実際に入居する物件の管理会社に確認して欲しい。
ファミリーネット・ジャパン

物件によって異なるが、基本的には弊社では他社回線のご利用については関与をしない。ただし弊社は物件の管理組合と一括での契約としているため、個別に「CYBERHOME(サイバーホーム)」を解約することは不可。

そのため、他社回線を利用する場合は、弊社サービスの回線とは別に回線を導入して頂き、二重に宅内にインターネットへ接続できる回線が通るような利用方法となる。

他社回線の導入可否については、物件の管理会社や他社回線事業者などに確認して欲しい。

D.U-NET

他社インターネットサービスの導入について、管理会社との調整で導入可となった場合は、「D.U-NET」とは別の経路で部屋まで引き込んで利用して頂くことになる。

また、弊社設備の撤去と現状回復をこれまでに特別対応として行った事例はない。

ファイバーゲート

「FGBB」専用の宅内設備は建物設備の一部であるため、弊社提供設備の撤去はご遠慮頂いている。

一方で、弊社以外のインターネットサービスを利用する居室に対して、弊社の宅内設備の導入工事をすることもある。

よって、弊社設備は撤去せずに他のインターネットサービスを導入できる可能性もあるが、建物設備によって異なるため管理会社への相談をお願いしている。

キッズウェイ

「あぱねっと」では、他プロバイダの回線を敷設できるかどうかの確認や、回線工事や撤去の手続き・調整については対応していない。

もし何らかの対応を要するなら管理会社へのご相談をお願いしている。

イーブロードコミュニケーションズ

「イーブロード光マンション」は建物の付帯設備として提供しているため、他社サービス利用時の弊社設備撤去はお断りしている。

もしご入居後に他社サービスをご利用になるにあたり、弊社設備の撤去が必須となる場合は、1度建物の管理会社経由で弊社まで問い合わせ頂ければ、それらの可否および発生する費用について説明する。

NTTメディアサプライ 未回答
ギガプライズ

お客様が個人回線を導入される場合は、弊社設備と併用する形での別回線の導入をお願いしている。ギガプライズの設備と配線は、建物オーナーの所有区分となるため、お客様の任意による撤去は出来かねる。

原状回復の留意点として、個人回線として通線されたものを撤去する場合は、お客様負担で手配する必要がある。

ブロードエンタープライズ

弊社の無料インターネット設備「B-CUBIC」が導入している物件でも、入居者側で個別回線を契約して利用は可能

個別回線の契約方法や内容に関しては、各窓口に問い合わせをお願いしている。

結果として、ブロードエンタープライズ社のB-CUBICのみが自由に独自の光回線を引き込み可能とのことでした。

その他の事業者については、原則として既存の無料インターネット設備の撤去も解約も認めていません

独自の光回線は不可

ここで入居者が取り得る選択肢は極めて限定的。

部屋に光回線を引くための光コンセント用のスペースは、既に無料インターネットの設備で埋まっており、新規に光回線は敷設できません。

つまり、自己負担覚悟で光ケーブルを引き込もうとしても、現実的には不可能ということです。

【参考画像】

光回線を接続するために、一般的な屋内で設置される光コンセント

新規の光回線も不可

それならばと、壁に穴を開けるなどして新しく光回線を部屋に引くことも許されません。

なぜなら、賃貸物件では部屋の所有者が光回線の契約主体なので、入居者側に設備をどうこうする権利は無いからです。

仮に自己所有の分譲マンションでも、この光ケーブルを新規に引き込むという作業が一筋縄では行きません。

光ケーブル新規敷設の流れ
  1. ※困難※自宅室内の壁面に、光コンセント設置用の穴を開ける。
  2. 壁に開けた穴に光コンセントを設置する。
  3. マンション至近の電柱から、新規分の光ケーブルを1本を共用部のMDF盤に引き込む。
  4. ※困難※マンションの壁内に光ケーブルを通して、自分の居室内まで引き込む。
  5. 光コンセントに光ケーブルを終端する。

上記工程1と4のハードルは高く決して簡単な工事ではありません。

LANケーブルの壁内新規敷設

わざわざ自室の壁に穴など開けたくないですよね?

実際のところ、壁内に光ケーブルを通すのは物理的に本当に大変です。

それに加えて、管理会社を交えての交渉や調整など、面倒ごとは数多くあります。

このように山積する課題が、解決をさらに難しくしています。

ホームルーターという選択

妥協策

もし事業者にクレームしても改善しない場合の妥協策として、必要な条件は以下の様に想定できます。

妥協策に必要な条件
  • 有線の光回線を必要とせず、スマホの様に無線でインターネットが使える設備。
  • 一般的な光の固定回線と同等の月額料金。
  • スマホの様な「データ容量の上限」が無い。
  • 家族全員が一度に同じ時間帯に使っても、速度が低下しない。

結論として、「5Gホームルーター」を使って下さい。

ホームルーターとは

ホームルーターは、「4G/5Gモバイルネットワーク」を「固定回線(光回線)」のように使い放題の無線LANルーターです。

既存規格「4G LTE」と次世代規格「5G」の両方に対応しています。

4G LTEと5Gの違いについては以下の記事をご覧ください。

ホームルーターはドコモ、au、ソフトバンクが提供しています。

スマホと同じ仕組みのモバイルデータ通信なので、新たな光回線を引き直す作業が不要。

自宅に届いたホームルーターをコンセントに挿すだけで、すぐにWi-Fiで高速なネットが使えます。

ホームルーター設置イメージ

四角い茶筒ほどのサイズ感で置き場所にも困りません。

最大65台もの機器が同時に接続できるので、大家族やホームパーティーでも余裕です。

スマホ・PC・タブレット・ゲーム機など、何台でも気にせずWi-Fi接続できます。

home5Gの強み

各社のホームルーターの中でも、ドコモの「home 5G」が特におすすめです

月額4,950円(税込)の負担で、光回線並みの高速通信が無制限で使えます。

さらにドコモユーザーなら、セット割引でスマホの月額料金が1,100円割引されます。

光回線の新規開通が出来ない時のベストな選択肢です。

「home5G」の詳細は以下のバナー広告からご確認いただけます。

home5Gで変わる日常

今まで満足に楽しめなかった動画やオンラインゲーム。

一度、ご想像してみて下さい。

もし100Mbps以上の速度が出るようになれば、驚くほど快適になります。

コロナ禍で強いられてきた長くて退屈なおうち時間。

遅いネットで溜め続けてきたストレスは過去になります。

遅いインターネットでは、リモートワーク中に失敗するリスクがあります。

最近よくあるのが、在宅勤務やオンライン授業中の突然の接続切れ。

「Zoom」や「Google Meet」や「Teams」が急に切れて、迷惑をかけてしまったことはありませんか?

ドコモ home5Gの強みは、高速かつデータ無制限であること。

失敗できないリモート会議やリモート授業も、安心して何時間でも繋げます。

まとめ

この記事では、「インターネット無料物件の速度が遅い問題」に対して、事業者サイドがどこまでサポート対応してくれるかをまとめてきました。

要約すると次のようになります。

この記事の要約
  • 事業者側は速度遅延に対して、回線の変更や設備の増強等で可能な限り対応する。ただし、改善するとは限らない。
  • 入居者独自の光回線を引くためには、オーナーと管理会社に相談が必要。ただし、一般に無料インターネット設備の撤去は認められない。さらに、新たな光回線を追加で引き込むための工事が必要となる可能性が高い。
  • 独自の光回線導入は、賃貸マンションではハードルが高く現実的には不可能。
  • 分譲マンションでも光回線導入は非常に面倒で避けるべき。
  • 現在のマンションに入居する間は、妥協策としてドコモ「home 5G」などを一時的に使うのが賢明。

現在の状況に応じて、適切に対応しましょう。